偽りの感情から自由になる:本当のあなたが求めていること


「本当の感情」と「偽りの感情」

〜心の奥にある「本当の声」を見つけるために〜


目次

はじめに

私たちは日々、たくさんの「感情」を経験しながら生きています。嬉しい、悲しい、怒り、不安、愛おしさ、安心感。これらの感情は、心の羅針盤として、人生の中で私たちが何を大切にしているのかを教えてくれます。

しかし、その感情が「本当の自分の気持ち」から来ているのか、それとも思い込みや他人の目を意識した「偽りの感情」なのかを見分けるのは、実は簡単なことではありません。

この記事では、「一次感情」と「二次感情」、そして「本当の感情」と「偽りの感情」という4つの視点から、心の動きを丁寧に見つめ直していきます。感情の正体に気づくことで、より深い自己理解と癒しが始まります。

感情とは何か?

感情とは、出来事や人間関係、思考の結果として生じる心の反応です。私たちの内面世界における「センサー」のような役割を果たし、自分にとって何が大切か、何を望んでいるか、何を避けたいのかを知らせてくれます。

しかし、感情は必ずしも「真実」や「正解」ではありません。むしろ、それは自分の内面の状態を映し出す「鏡」のようなものであり、時には歪んだ形で映ることもあるのです。


第1章:一次感情と二次感情とは?

🔹一次感情(Primary Emotions)とは?

一次感情とは、外界の刺激や出来事に対して瞬時に自然と湧き上がる感情です。これは本能的な反応であり、人間に普遍的に備わっている感情だとされています。

例:

 • 目の前で車が突っ込んできた → 恐れ

 • 親しい人に褒められた → 喜び

 • 裏切られた → 悲しみ

一次感情は身体的な反応を伴うことが多く、「ありのままの自分」に近いところから湧き上がってきます。

🔹二次感情(Secondary Emotions)とは?

二次感情とは、一次感情が生じた後に、思考や価値観、社会的判断などを通じて派生する感情です。自分の中での意味づけ、他人の目、過去の体験が強く影響します。

例:

 • 本当は寂しいのに「怒る」ことで誤魔化す

 • 嫉妬の気持ちを「無関心」という態度で隠す

 • 悲しみを見せるのが恥ずかしくて「強がる」

こうした二次感情は、防衛反応や社会的適応の一環であり、自分の本当の気持ちから離れてしまうことがあります。


第2章:本当の感情と偽りの感情とは?

🔸本当の感情(True Emotions)とは?

本当の感情とは、魂の声・心の中心から湧き上がる、純粋で正直な感情です。思考や他者の影響に左右されることなく、「私は今、こう感じている」と静かに、しかし確かに教えてくれます。

本当の感情は、一次感情に近いことが多いですが、すぐに気づけるとは限りません。時間をかけて内面を見つめ直したとき、ようやく現れることもあります。

本当の感情の特徴

1. 体感として深く響く

 心だけでなく、身体にも明確な反応を伴います。たとえば、胸が温かくなったり、涙が自然にあふれたりする感覚です。

2. 安心感を伴うことが多い

 たとえ悲しみであっても、その感情に触れることで心が癒されることがあります。これは、「ようやく自分とつながれた」という内なる安堵から来るものです。

3. 他者との比較や外部評価から自由である

 本当の感情は、他者の目を気にすることなく、ただ「自分はこう感じている」と素直に認めることができます。

🔸偽りの感情(False Emotions)とは?

偽りの感情とは、本音ではないが、無意識的に選び取ってしまった感情です。社会的な役割、自己防衛、トラウマ、条件反射的な思考パターンから生じることが多く、自分でも「それが本当の気持ちだ」と思い込んでしまっている場合があります。

1. 社会的役割に基づく感情

「母親なんだから、我慢すべき」と抑える優しさ

「上司だから、弱音を吐いてはいけない」

このような“〇〇だから〜すべき”という信念のもとで湧き起こる感情は、必ずしも本心から来ているとは限りません。たとえば、怒りや優しさのような表出も、役割に応じた「演技」として出ていることがあります。

2. 他者からの評価を気にした感情

「嫌われたくないから、笑っておこう」と笑顔を作るが、本当は悲しい

「強くあらねば」と怒りを選ぶが、本当は寂しい

「変に思われたくないから、本当は寂しいけど強がろう」

このような感情は、外部の評価を気にするあまり、本当の気持ちを抑圧して仮面をかぶってしまう状態です。

3. トラウマや思い込みに基づく感情

幼少期の傷つき体験が「私は愛されない存在だ」という信念を作り上げ、そのフィルターを通して「悲しい」「怒り」「寂しさ」といった感情を生む場合があります。

これらは、過去の記憶が現在の感情を操っている状態であり、現在の出来事と直接的な関係がないことも多いのです。


第3章:4つの感情の違いと関係性

これまで紹介した4つの感情は、互いに似ている部分もありますが、明確な違いもあります。以下の比較表をご覧ください。

項目一次感情二次感情本当の感情偽りの感情
生じるタイミング即時後から(思考を経て)直感的〜熟考後もあり表層的・後天的
心との一致度高い中程度〜低い非常に高い低い
思考の介入少ない大きい少ない大きい
社会的影響少ない多い少ない多い
癒しへのつながり高いあまりないこともある深い癒しや気づきをもたらす心が疲弊しやすい

第4章:どう見分ける?感情に耳を澄ませる実践

感情を見極めるためには、「問いかけ」「身体感覚」「ニーズ」に注目することが鍵となります。

🌿1.  「なぜそう感じたのか?」自問してみる

「私は本当に怒っているのか?」「この感情の奥に、別の気持ちはないだろうか?」と問いかけてみましょう。感情は重なっていることが多く、その奥に本当の気持ちが隠れている場合があります。

🌿2. 身体感覚に意識を向ける

本当の感情は、身体にも「響き」として現れます。たとえば、胸が熱くなる、涙がにじむ、喉がつまるなどの反応です。逆に、偽りの感情は頭だけで考えていて、身体がついてきていないような感覚があります。

🌿3. 感情の背後にあるニーズを探る

すべての感情は、「必要な何か」が満たされないときに生まれます。怒りの奥には「理解されたい」、悲しみの奥には「つながりたい」などの魂の願い=ニーズがあるのです。


第5章:本当の感情と共に生きるという選択

本当の感情は、ときに痛みや弱さを伴うため、私たちは無意識にそれを避け、偽りの感情で蓋をしてしまうことがあります。しかし、自分の本当の感情と向き合い、それを丁寧に受け入れることこそが、自己理解と癒しの第一歩です。

本当の感情を大切にすることは、自分自身と深くつながり、誠実に生きるということです。感情を押し殺して生きることは、一見平穏に見えても、内なるエネルギーを抑圧し、身体や人間関係に不調を生む原因にもなり得ます。

しかし、それでもなお「私はこう感じている」と素直に受けとめるとき、心には深い癒しと解放がもたらされます。自分に正直であり続けること。本当の感情には、自分を導く力があります。これは魂の成長につながり、より自由で豊かな人生をもたらします。どんな感情も、あなたの魂からのメッセージとして、あなたを幸せにするために現れているのです。


おわりに

一次感情や本当の感情は、あなたの中の「真実」とつながる扉です。一方で、二次感情や偽りの感情は、その扉の前に立つ“番人”のようなものかもしれません。それらに気づき、優しく見つめ直すことで、奥にある本当の声が静かに現れてきます。

どうかあなたが、日々の感情をただ流すのではなく、少しだけ立ち止まって、「これは本当の気持ち?」と耳を澄ませてみてください。その先に、より深い愛と自由、そして魂の成長が待っていることでしょう。どうか、その小さな声に耳を傾けてください。そして、その声に導かれて、自分らしい人生の道を歩んでいきましょう。


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