先祖の因縁・不幸の遺伝について

先祖の因縁・不幸の遺伝について

私たちに関係するカルマを分類してみると、国のカルマ、民族のカルマ、家のカルマ、個人のカルマがあります。その中で「先祖の因縁・不幸の遺伝」は、家のカルマに関係する内容になります。

人によっては、国のカルマと家のカルマ、民族のカルマと家のカルマ、家のカルマと個人のカルマなど多重に影響がある事例は少なくありません。実際には多重に絡んでいる問題がほとんどです。

先祖の因縁とは、先祖が行った行為によって、次の代、またはその次の子孫たちが行為の結果を受け取ることですが、この言葉の意味するところは、不幸の遺伝が世代間連鎖することを指します。

例えば、先祖が犯した罪をその本人が償わない場合や、先祖が他者に与えた損益がその代で精算されないときは、先祖に代わって子孫が病気や貧乏、離婚等の不幸を経験することで罪を償わなくてはならないというものです。ただし、「子孫が先祖に代わって罪を償う」とは言っても、その子孫と先祖との間には面識がないのが通常で、先祖に代わって自分が罪を償っているという認識は子孫にはありません。

「悪いことをしたり、不当な利益を得たとしても人にバレなければいい」なんてことをすると、「子どもや子孫があなたの代わりに苦しむことになる」ということです。

あるいは、あなたの人生がうまく行かないのは、もしかすると「あなたが先祖の誰かに代わって償いの人生を生きているせいかも知れない」という可能性もあるのです。

今まで私たちの相談経験からすると、先祖から子孫への「不幸の遺伝」は七世代先まで続く可能性があります。逆に言うと、七世代前の先祖からの影響があるということになります。

不幸の遺伝「四つの法則」について

なぜ不幸の遺伝が起きるかをみてみると、カルマの中に四つの法則が存在していて、その法則に違反すると不幸の遺伝が起きることが分かっています。

1,所属の法則(re-member)

2,序列の法則(順位)

3,返報の法則(与え受け取る)

4,因果の法則

所属の法則について

家族一人ひとりは、その家族に所属する権利を等しく無条件に持ちます。家族のメンバー全員が家族内で正しい居場所を与えられています。家族全体が分かち合い、助け合い、「己を愛として表現」できるように目指します。四つの法則の中で、所属の法則は最も強力で、中心的な役割を果たします。

もしも誰かが家族から排除されて存在的居場所が失われると、残された家族や子孫に排除された人物の身代わりが現れます。つまり誰かが排除されると、残された者の中から排除された者と同じ運命をたどる者が現れます。

排除が起きやすい出来事として以下が上げられます。

幼少期に経験した両親や祖父母の死、両親との別離、不慮の事故や病気による悲劇的な死

家族内の子どもの死、中絶、流産、死産、隠し子、水子、自身または他の家族の養子縁組、

離婚、再婚、過去の恋愛・婚姻関係における未完了、親の苦労や不幸を見て育った、夫婦仲の悪い両親を見て育った、子どもの頃にずっと病気だった親、親や先祖が他者を犠牲にして不当な利益を得た(奴隷制度、略奪、闇市など)、在日問題(二世、三世、帰化など)、被差別部落出身、戦争体験や亡命体験など……。

序列の法則について

家族の一員になった時間的順番で序列が決まり秩序が保たれています。順位の違いは、人間としての優劣や価値の有り無しを意味するものではありません。 序列の法則は、複数の家族メンバーに対して家族内での正しい居場所を規定することで、家族に秩序をもたらします。順位上位の者を拒絶する、認めない、忘れる、無視する、下に見る等をするとき、命の序列から秩序を無視することになり、序列の法則違反が起きます。

兄弟・姉妹、親子などの家族はもちろんですが、離婚・再婚歴がある場合の前パートナーと現パートナーにも適用されます。過去のパートナーとの間にできた子どもたちにも当てはまります。流産、死産、中絶等の理由でこの世に生まれてこれなかった子供や生まれてすぐに亡くなった子どもたちにも序列の法則は適用されます。

例えば、

• 仲の悪い夫婦の子どもが、「母親はかわいそうな人」「父親はダメ人間」と思う

• 親を批判する、軽蔑する、下に見る(「私(俺)の方が上だ」)

• 親を運命から救い出そうとする。親の運命を代わりに背負おうとする

• 亡くなった兄弟・姉妹をいないことにする

• パートナーの元配偶者を尊重しないなど……

 

返報の法則について

この法則は、先祖や家族が他者に与えた行為や恩恵、悪意や暴力に対して同様の行為や恩恵、悪意や暴力が返ってくる、また、他者から受け取った行為や恩恵、悪意や暴力に対して同様の行為や恩恵、悪意や暴力を返すという法則です。この与えて返ってくる受け取って返すことが、本人または一世代で終わらない場合に世代間連鎖がおこり、子孫によって返報が繰り返されます。

人から何かをもらうと「お返し」をしたくなる心理作用で公平なやりとりでバランスが均衡するまで続きます。与えたり受け取った利害や損益は本人で均衡がとれない場合、世代を超えて子孫が均衡をとることになります。

例えば、

・先祖が海賊で財を成したという人物の末裔達は、何度も事業で失敗したり、会社が倒産

 して全財産を失ことを何世代にもわたり繰り返している。

・父親が母親を殺してしまったという家族の子孫にあたる男性たちは、自身の自殺衝動

 に苦しめられたり、恋愛・結婚における男女関係の失敗を繰り返している。

・幼少期に弟が養子に出されて離ればなれになった息子は、事業家として成功を収めた後

 に、親のいない子どもたちのための児童養護施設を自己資金で建設した。

因果の法則について

魂は何度も肉体人間として生と死を繰り返し、異なる人生の経験を通じて進化と成長の道を歩みます。前世の行為(善行や悪行)に基づいて次の人生が創り出され、現在の行為が将来の結果を形成します。その過程でカルマの浄化や成長を遂げます。また、善意や慈悲的な思考や意図は良い結果をもたらし、憎悪や貪欲な思考や意図は悪い結果をもたらし

ます。

誰もが皆、自分の因果を背負うことができます。そして、自分の因果しか背負うことが

できません。因果の法則が意味することは、他者の因果を尊重することの重要性です。

他者を因果から救い出そうとすることは、因果のもつれを生み出し、結局は共倒れに終わります。 他者の因果に首を突っ込む者は、自分の人生がおろそかになります。

「誰もが皆、自分の意志に関係なく巡ってくる幸、不幸を背負うことができる。

そして、自分自身に巡ってくる幸、不幸しか背負うことはできない」

たとえ血のつながりを持った家族であったとしても「因果の法則」に違反して他人の運命(人生)に介入しようとする試み(尊重を超えた口出しや命令的他者操作)は両者の間に「もつれ」を作り出し、家族内にさらなる苦痛や問題を生み出します。

・子どもの頃、夫婦仲の悪い両親の仲裁役や愚痴の聞き役をしていた

・子どもの頃、かわいそうな母親(父親)を救いたい(守りたい)と思っていた

・パートナーや子どもに代わって自分が苦しむことで相手を救いたいと思っている

・自分が我慢をしたり、犠牲になることで子どもに幸せになって欲しいと思っている……

これらの例はすべて「因果の法則」に違反する行為です。その結果、何が起きるのかというと、家族の中で「もつれ」が発生して、最後は「助けてもらいたい人(被害者)」と「助けてあげたい人(救済者)」の両者の共倒れが起きてしまうのです。

この「もつれ」による共倒れ現象は、家族の中で起きるだけではなく

・「恋人同士」

・「カウンセラーとクライアント」

・「医者(看護師)と患者」

・「学校の先生と生徒」

・「社会的弱者と行政の職員」……

などの関係性においてもしばしば見られます。

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